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2007年7月15日 (日)

●スカラベは飾りボタンの起源

ピラミッドに眠る古代エジプトのファラオのミイラに、寄り添うようにおかれた「スカラベ」は、装飾をかねたお守りでした。

001ファーブル昆虫記にも登場する「スカラベ」は黄金虫の一種で、日本には存在しませんが、俗称「ふんころがし」として知られています。

古代エジプトでは、太陽が神として崇められました。東から昇る太陽は、エジプトに豊穣をもたらすナイル川沿いの穀倉地を超えて西に沈みますが、次の朝には復活してくりかえし人々を潤すことから、太陽神ケペラとして信仰の中心でした。

「ふんころがし」がふんを運ぶその姿は、体全体でふんを包み込み、抱きかかえて守りながら運ぶように見えることから、古代エジプト人はふんを太陽に見立て、「スカラベ」を太陽の守り神ととらえ、護符と使用しました。

「スカラベ」は留め具ではありませんが、頭からお尻に向けてまっすぐに穴が貫いており、そこに紐を通して服を飾ったことから、「スカラベ」は装飾的なボタンのルーツと考えられています。

ボタン百物語 その6  by button curator

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